貝柱の部分は、栄養的にはほとんどがタンパク質です。ただし、そのタンパク質のなかに、グリシン、アラニン、グルタミン酸、イノシン酸といった旨味成分がたっぷり含まれていて、いわば旨味のかたまりといってもいいほど。さらに、これを塩ゆでして天日で乾燥させることで旨味が凝縮することから、中国では生で食べるよりも、干した貝柱を食べることが多いようです。
干貝柱は単に食用のほか、古くから漢方薬としても用いられてきたようです。よく知られている薬効としては、滋養強壮効果があげられますが、特に細胞に潤いを与え血圧を下げる働きもあるといわれています。その他にも、めまいやのどの渇きなどにも効果があると言われ、さらに干貝柱の戻し汁は、子供のできものや腫れものにも効き目があるそうです。